5月9日は「呼吸(こきゅう)の日」

 

 当法人では毎年、「呼吸の日(5月9日)」にちなんでCOPDの普及啓発活動を行っています。
 多くの方々に呼吸の大切さを呼びかける活動として「呼吸の日特集!」を行います。COPDの治療(呼吸リハビリテーション)について基本的な内容や紹介動画をご紹介しますので、是非ご覧ください。

  

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: 慢性閉塞性肺疾患)には、よく知られている 「肺気腫」や「慢性気管支炎」が含まれます。喫煙者に多い病気ですが、非喫煙者も、タバコ の煙を間接的に吸い込むことで、COPDに罹る 危険があります。
COPDは徐々に病気が進行し、咳・痰・息切 れなどの症状があっても歳やタバコのせいと思 っている方が多く、診断が遅れるので、早期診 断には呼吸機能検査が不可欠です。呼吸機能検査を受けると、自分の『肺年齢』を 知ることができます。 定期的な測定を心がけることが大切です。

  

COPDの治療

 

 COPDの治療で大切なことは、ご自身がCOPDという病気をよく知り、病気とうまく付き合う能力(セルフマネジメント)を身につけることです。
 COPDは症状に応じて、禁煙や薬物療法、運動療法などの総合的な治療(呼吸リハビリテーション)を継続的に実践します。
COPDで肺胞が壊れたり、細気管支に炎症を起こすと肺機能の低下を起こします。残念ながら、一度破壊され、変化を起こした肺を元に戻すことはできません。
しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を抑制することが可能です。

  

呼吸リハビリテーション

 

 COPDが進行すると呼吸困難の症状により、運動能力や生活の質(QOL)が低下します。このような状態を改善するためには、薬物療法に加えて、運動療法や栄養療法、日常生活の管理などを総合的に行うことが重要です。このような包括的な治療は「呼吸リハビリテーション」と呼ばれています。

●「動く」ためには

 

COPDの呼吸リハビリテーションは「動く」ことからです。
COPDは活動量が減ると、病気が急激に悪化したり、合併症を起こすリスクになります。そのため、日常生活の中で少しでも動くように意識することが大切です。色々なアイデアを取り入れて、活動的な生活を送りましょう。
生活の中で、「友達に会いに行きたい」「好きなお店に行きたい」「お花を買いに行きたい」など、今日やってみたいことを考えて、楽しく動くことが大切です。
そして、日常生活の活動量を維持できているかどうかを知るために、歩数計を携行し、記録をつけましょう。

 
 
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●口すぼめ呼吸

 

少しでも楽に動けるようになれば次は「口すぼめ呼吸」を身につけましょう。
“歩く”+“動く”ことはCOPDの治療生活の中で、大切な取り組みです。そのために、覚えておきたいのが口すぼめ呼吸です。口すぼめ呼吸は、鼻から息を吸った後、口をすぼめて長く息をはく呼吸法です。
COPDでは呼吸をするたびに肺の中にはき出せない空気がたまって息苦しくなりますが、口をすぼめて息をはくと、気管支の内側に圧力がかかり、呼吸が速くなっても気管支のつぶれを防ぎながら、空気を効率よくはき出すことができます。

 
 
 
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●家の中でできる呼吸リハビリテーション

 

“もっと動く習慣をもつための呼吸リハビリテーション”のコツは、“自宅でテレビを見ながら”、 “ベッドの上で横になったまま”など、自宅で何かをしながら動くことを行いましょう。気候や天気に左右されずにどこででもできます。

 
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息苦しくなった時の対応方法

 

息苦しくなった時の対応方法を身につけましょう
肘をテーブルに置く、手を膝に置く、壁に手を置くなどの姿勢をとり、口すぼめ呼吸をすると、横隔膜の位置が安定します。

 
 
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今回の情報は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が運営する、
COPDに関する情報提供を目的としたサイト「 COPD-jp.com」より引用しています